2007年06月21日
医学研究に広く用いられ、健康ニュースでもおなじみのアカゲザルのゲノム解読が完了した。米ベイラー大学(テキサス州)のRichard A. Gibbs博士ら約170人の研究者が参加した国際的な研究チームが、アカゲザルの全遺伝子情報(ゲノム)を解読したことを、2007年4月13日付の米科学誌「サイエンス」で発表した。
霊長類でゲノムが解読されたのは、2001年に解読されたヒト、2005年のチンパンジーに次いで3種目。ヒトとチンパンジーは98.9%の遺伝子が一致し、ヒトとアカゲザルとの一致は97.5%。ヒトがチンパンジーと分岐したのは600万年前、アカゲザルとの分岐は2500万年前と言われている。
Gibbs博士は、「チンパンジーはヒトに極めて近いので、ヒトと同じ部分と異なる部分を正確に把握することが難しい。この点で、アカゲザルはヒトと異なる部分がチンパンジーよりも多いので、比較対象として優れている。研究がしやすくなる」と述べている。
今回の研究では、免疫反応、細胞膜の蛋白質、受精の過程、毛の形成などに関するアカゲザル独自の約200個の遺伝子が特定された。
Gibbs博士は、「ヒトを特徴付ける遺伝子を特定したり、エイズや新型インフルエンザなどのワクチンを開発したり、ヒトの病気の解明、霊長類の進化の過程など、様々な分野で今回の解読は役に立つだろう」と述べている。
Rh式血液型の研究実験(1940年)にはアカゲザルが用いられたことから、アカゲザルの英名「Rhesus macaque」から「Rh式」となった。
アカゲザルは今後も生物医学分野の研究に大いに役立つだろう。