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2007年06月14日

凍結卵子と凍結精子で体外受精出産 米国で初

米カリフォルニア州在住で独身のエイドリアン・ドメイシンさん(36歳)は、2007年4月11日、凍結卵子と凍結精子を用いた体外受精で男児を出産した。卵子の凍結保存サービスを提供したエクステンド・ファーティリティ社によれば、ともに凍結保存した卵子と精子を用いた体外受精、出産は米国では初めてとのこと。

ドメイシンさんは34歳の時に卵管閉塞と診断されたが、どうしても自分の子供を生みたいと決心した。そこで、卵子の凍結保存サービスを提供しているエクステンド・ファーティリティ社の研究プログラムに参加することにした。

ドメイシンさんは排卵誘発剤を服用した。そして卵子を採取し凍結保存した。卵子の凍結には、イタリアのボローニャの不妊治療の専門家らが開発した卵子の中の水分を不凍液のような働きをする液体に置換することによって、組織が凝固して細胞が損傷しないようにする方法が採用された。卵子を凍結して4ヵ月後、凍結精子を用いて体外受精させ、ドメイシンさんの子宮に受精卵をもどして妊娠し、男児が誕生した。

エクステンド・ファーティリティ社(www.extendfertility.com マサチューセッツ州ボストン)は、クリスティーナ・ジョンソンさんが2003年に設立した。

仕事に夢中で気が付いたら独身で34歳になっていたジョンソンさんは、自分のような女性が子供を生みたいと思っても、若い時に生むしか選択肢がないのは変だと考え、卵子を凍結し保存できる設備を備えた同社を設立した。

同社は「自分の出産年齢は自分が決める」をキャッチフレーズにしている。ジョンソンさんは、「卵子の凍結保存技術の影響は、ピル(経口避妊薬)によって女性が手にした自由に匹敵するもの。女性は仕事と家庭の狭間で難しい決断を迫られてきた。凍結卵子によってこのプレッシャーから女性は開放される」と述べている。

同社のサービス費用は、「排卵誘発剤の投与、卵子の採取、卵子の凍結、凍結卵子の低温保存1年間」で1万~1万2000ドル(約120万円~144万円)。1年経過後の低温保存料は1年あたり400ドル(約4万8000円)。

一方、米ミネソタ大学のマーク・ダマリオ准教授(産科学)は、「たしかに卵子の凍結保存技術はここ数年で急速に改良されているが、実験段階の技術を商業化するのは望ましくない。凍結卵子から生まれた子供の先天異常など、まだ十分なデータの蓄積がない。現段階では治療対象の限定が必要だ。癌の化学療法が終了した後に出産を希望する女性などのケースを凍結卵子を用いる治療の対象とすべきだ」と述べている。