2007年05月23日
米国産の牛肉をたくさん食べた母親が出産した男子の精子の数が正常値よりも少ないことが米ロチェスター大学医学部のShanna H. Swan教授(産婦人科)らの研究チームの調査で明らかになった。
研究チームは、1999年~2005年にかけて、1949年~1983年に米国で生まれた男性387人の精子の数を調査した。
そして、男性の母親の妊娠中の食事内容をアンケート調査し、精子の数と牛肉を食べた量との相関を調べた。
その結果、一週間に7回以上母親が妊娠中に米国産牛肉を食べた男性の精子の数は、精液1mlあたり平均4310万だった。
7回以下の場合は、平均5690万で、母親が週7回以上米国産牛肉を食べると精子の数が平均24.3%減少するという結果がでた。
精子の数が少ない男性の割合は、週7回以上では17.7%で、週7回以下では5.7%だった。
世界保健機関(WHO)は、精液1mlあたりの精子数が2000万未満を「下受胎能」として妊娠が困難になるとしているが、今回の調査の週7回以上母親が米国産牛肉を食べた場合の男性の18%が「下受胎能」のカテゴリーだった。
週7回以上の男性の不妊問題での受診回数は、7回以下の男性の約3倍だった。
研究チームは、魚、鶏肉、子牛、豚肉と精子の数には関連がなかったとしている。
Swan教授は、「この結果はやはり米国産牛肉に含まれる成長ホルモンの影響があると我々は考えている。今後は、成長ホルモンの使用が禁止された1988年以降に欧州で生まれた男性で、同様の調査を実施して成長ホルモンの精子の数への影響を確かめたい。妊娠中は良質な蛋白質の摂取が特に重要だ。米国の妊婦は成長ホルモン未使用のオーガニックの牛肉を選択したり、大豆など他の蛋白質の摂取をお勧めする。成長ホルモンを使用した米国産牛肉は控えた方がいい」と述べている。
米国とカナダの食用牛肉には、天然ホルモン(テストステロン、プロゲステロン、エストイラジオール)、合成ホルモン(ゼラノール、トレンボローン・アセテート、メレンゲストロール・アセテート)の6種類が肉質を良くしたり、成長を促進するために使用することが許可されている。
欧州では、牛肉に残留した成長ホルモンが胎児や乳児に悪影響があるとして食肉牛への使用は禁止されている。また、成長ホルモンを使用した食用牛肉の輸入も認めていない。
日本では、成長ホルモンの使用は認められているが、日本国産牛には、ほとんど使用されていない。しかしながら、米国産牛肉については、BSE(狂牛病)問題では、規制を設けているものの成長ホルモンについては問題視されていない。