2007年05月15日
血液中のトランス脂肪酸が高レベルの女性は、低レベルの女性よりも心臓疾患のリスクが3.3倍になることが、米国での研究で明らかになった。
デンマークでは2004年に食品中のトランス脂肪酸を全脂質中の2%以下とする法規制を施行した。米国では、食品医薬品局(FDA)が加工食品に含まれるトランス脂肪酸の量の表示を2006年1月1日に義務付けた。米ニューヨーク市では、市内の飲食店での1食あたりのトランス酸脂肪を0.5g以下とする規制が2006年12月に制定された。
この様に、欧米では次々に心臓疾患の原因とされるトランス酸脂肪が規制されているが、今回の研究結果はこれらの取り組みが正しいことを再認識させた。
今回の研究は、米ハーバード大学公衆衛生学部のFrank B. Hu准教授(栄養学・疫学)らの研究チームが実施し、医学誌「Circulation」オンライン版で2007年3月26日に発表した。
この研究で使用したのは「ナース健康研究」のデータで、1989年~1990年に3万2826人の女性看護師から採取した血液サンプルを分析した。対象者のうち、166人の女性が心臓疾患に罹った。この166人と健康な女性327人を比較したところ、赤血球中のトランス脂肪酸の量とトランス脂肪酸摂取量とに関連が見出された。赤血球中のトランス脂肪酸量を4つのレベルに分けて比較したところ、最も高いレベルの女性は、最も低いレベルの女性と比較して、心臓疾患のリスクが3.3倍になった。また、赤血球中のトランス脂肪酸量が増加すると、悪玉コレステロール(LDL)が増加し、善玉コレステロール(HDL)だ減少するということも今回の研究で確認されている。
Hu准教授は、「ヒトはトランス脂肪酸を体内で合成できません。赤血球中のトランス脂肪酸のレベルは、食物摂取からの反映です。トランス脂肪酸規制は正しい判断ということが今回の研究で証明できました。(トランス脂肪酸含有量が多い)マーガリンやショートニングの摂取は心臓疾患の原因になります」と述べている。
ケンタッキー・フライド・チキン、スターバックスなど米の大手チェーンは2006年あたりから、欧米の店舗で使用する食用油をトランス脂肪酸の含有量が少ない油脂に切り替えたり、もしくは切り替えを決定しているが、同じチェーンでも日本国内の店舗においては切り替えの予定がない場合がほとんどだ。