2007年04月26日
米ワシントンDC連邦地裁は2007年3月16日、たばこの健康被害が軽減するような印象がある表示は、米国外でも禁止するという決定を下した。
同地裁は2006年8月に、「低タール」「ライト」「ウルトラライト」「ナチュラル」「マイルド」などといった表示は、喫煙者にたばこの健康被害が軽減するような印象を与えるとして、米国のたばこ会社がパッケージや広告にこれらの表現使用を禁止する判決を下した。
この判決に対して被告の米たばこ最大手フィリップ・モリス社などは、判決の効力が米国内だけに限定されているのかを明確にするように求めていた。
これに対して同地裁は16日の決定で、米国外での違法行為が米国内に影響を及ぼす場合、米国外においても独占禁止法のように効力が及ぶとする見解を示した。
決定を下したグラディス・ケスラー判事は、「米国民の健康に重大な影響が出ているのだから、誤解を招くメッセージを米国外でも許すことはできない」と述べている。
フィリップ・モリス社は、他国の権限を侵害する違法判決だとして、直ちに連邦高裁に控訴するとしている。
嫌煙団体は重要な判例になるとして評価している。
1964年に初めて紙巻タバコの健康被害が米公衆衛生総監報告書で公にされた。そして、「低タール」たばこも1964年に米国で初めて開発された。
以後、たばこ会社は健康に良いたばこを開発してきたとしているが、「低タール」たばこはニコチンの含有量が少ないので、喫煙者は血液のニコチン濃度を保つ為に本数を増やしてしまったり、ニコチン摂取量を増加させてしまう吸い方をしてしまう点などが多くの公衆衛生団体によって指摘されている。
また、「低タール」たばこが、軽いたばこという印象付けがされたことから、喫煙の低年齢化、女性喫煙者の増加を招いたという社会的な問題の指摘もある。
結果として、「低タール」たばこの販売によって、たばこ会社の売り上げは伸び、健康被害は増加したといえる。
アメリカ国立癌研究所(NCI)は、50年前の「高タール」たばこから現在の一般的な「低タール」たばこへ移行したことによる健康効果はとりたててないとしている。