2007年04月24日
喫煙が肺癌のリスクファクターであることは、周知の事実だが、喫煙者でも運動習慣があれば、肺癌の罹患率を低下できることが米での研究で明らかになった。
米ペンシルベニア大学疫学・生物統計学研究所のキャスリン・シュミッツ(Kathryn Schmitz Ph.D.)助教授(公衆衛生学)らの研究チームは、「アイオワ女性健康調査」(IWHS:Iowa Women’s Health Study)のデータを分析した結果、運動習慣がある喫煙者は、運動不足の喫煙者、元喫煙者よりも肺癌の罹患率が35%低いと、医学誌「Cancer Epidemiology Biomarkers & Prevention」2006年12月号で報告した。
IWHSは、1986年開始の55歳~69歳の女性、約4万2000人を追跡調査している大規模健康調査である。
研究チームは、IWHSの参加者に5回アンケートを実施し、喫煙状態、運動習慣などを記録、分析した。
2002年末時点でのアンケートの回答者の総数は、3万6410人だった。このうちの777人が肺癌に罹っていた。
777人の肺癌患者のうち、喫煙者は475人、元喫煙者は177人、非喫煙者は125人だった。
喫煙者の肺癌患者の475人のうち324人、元喫煙者の肺癌患者の177人のうち95人は、ほとんど運動習慣がなかった。
運動習慣がある喫煙者と元喫煙者のうち、肺癌罹患率が最も低いのは、中程度の運動を週4回(1回30分の速足ウォーキングのような運動)か、激しい運動を週2回行う人だった。
また、非喫煙者と比較して、喫煙者と元喫煙者には、治療が困難な扁平上皮細胞肺癌と小細胞肺癌に罹患している傾向があるとも報告している。
研究チームは、運動がなぜ肺癌リスクを低下させたかは不明としているが、肺機能の改善によって、発癌性の粒子の濃度と肺に蓄積する範囲が減少したのだろう、と説明している。
シュミット助教授は、「この研究結果は禁煙ができない人にとっては朗報かもしれないが、言うまでもなく、喫煙をしないことが肺癌のリスク減少のために最も重要な事です。運動をする喫煙者でも、しない喫煙者でも、禁煙をすれば肺癌のリスクが10倍ないし11倍低くなるのですから」と述べている。