2007年03月02日
妊娠中に魚油のサプリメント(栄養補助食品)を摂取すると、子供の視覚と手の動きの協調性が良くなることが、オーストラリアでの研究で示された。ウェスタンオーストラリア大学子供健康センターでの今回の研究は、妊婦98人を対象に実施された。対象者の半数に、1日4gの魚油(オメガ-3脂肪酸omega-3 fatty acids)のサプリメントを、妊娠20週から分娩時まで摂取させた。そして、出生した子供(72人)が2歳6ヵ月になった時の、身体の成長、言語能力、視覚と手の動きとの協調関係(hand-eye coordination)などについて調査をした。その結果、母親が魚油サプリメントを摂取していた子供は、そうでない子供と比較して、視覚と手の協調関係が有意に優れていた。母親の年齢、母乳を与えた期間などの因子を調整した後もこの有意差は認められたという。また、臍帯血に含まれるオメガ-3脂肪酸の濃度が高かった子供は、視覚と手の協調関係が優れていた。なお、身体の成長、言語能力には有意差はなかったとのこと。研究チームは、このデータは視覚と手の協調関係に有益な効果をもたらす可能性を示している。また、妊娠後期の20週以降に1日4gという高容量の魚油サプリメントを摂取しても安全だといえる、としている。米エール大学医学部予防研究センター所長のDavid L. Katz博士は、「この研究では、視力、協調運動、認知力のいずれにオメガ-3脂肪酸の効果があるのかは示されていないが、乳幼児の健康にオメガ-3脂肪酸が重要だということは明確にした。今後は、オメガ-3脂肪酸を妊娠中に摂取する場合の用量や妊娠中の摂取による長期的な影響を研究する必要がある」と述べている。Katz博士は、自分の患者には、妊娠の有無にかかわらず、魚油サプリメントを1日に2回各1g摂取するよう勧めている。一般に魚油(fish oil)と総称されるオメガ-3脂肪酸は、ヒトの必須栄養素で、胎児の眼、脳の発達、小児の発達に重要な影響を及ぼすと考えられている。また、最近は、アルツハイマー病予防効果、ドライアイ改善効果など健康効果の報告が多い。しかし、魚の種類によっては水銀含有が心配なので、魚食をためらう人もいる。米では、魚油サプリメントの人気が高い。この研究は、米医学誌「Archives of Disease in Childhood」(オンライン版)で2006年12月21日に報告された。