2007年03月01日
脳梗塞の発症を左右する遺伝子を、東京大学医科学研究所、理化学研究所などの研究チームが大規模疫学調査によって確認し、2007年1月8日、米医学誌「ネイチャー・ジェネティクス」(オンライン版)で報告した。脳梗塞と特定の遺伝子との関連が、大規模疫学調査で確認されたのは世界初。脳梗塞の発症を遺伝子レベルで予測し、診断や治療に活用できる成果といえる。研究チームは、日本人の脳梗塞の患者と健康な人、各々約1100人を対象に、両者の遺伝子情報の違いを比較した。その結果、脳梗塞患者の場合、「プロテインキナーゼcエータ」という蛋白質を作る遺伝子の特定の部分が、1〜2ヶ所、置き換わっている人が多かった。この遺伝子は、動脈硬化の発症、進行に関連していると見られている。研究チームは、この遺伝子の相違が脳梗塞の危険因子であることを確認するために、九州大学が長期の疫学調査を実施している福岡県久山町のデータを用いた。1988年に健康だった40歳以上の1642人について、2002年までの14年間の脳梗塞発症率と「プロテインキナーゼcエータ」の置き換わりとの関連を調査した。その結果、2ヶ所とも置き換わっている人は、脳梗塞の発症率が、そうでない人よりも約2.8倍高いことが判明した。