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2007年02月23日

蚊の遺伝子操作でマラリア撲滅を目指す

米メリーランド州立大学に2006年9月に新設された昆虫変態研究室では、室長のデービット・オブロクタ博士(昆虫分子遺伝学)らが、マラリア原虫を媒介する蚊の遺伝子操作によって、マラリアの感染を防止し、マラリアを撲滅しようとしている。マラリアの感染者は全世界で毎年3〜5億人、そのうち約100万人が死亡。主要な媒介昆虫は、ガンビアハマダラ蚊。蚊は、マラリアに罹患した人の血を吸うことでマラリア原虫を体内に保持し、他の人を刺すことでマラリアを感染させる。マラリア原虫は、人の体内で繁殖し、その血を吸った蚊を媒介としてさらに他の人へと感染していく。その繁殖力は非常に強い。地球上でこれまでに起きた戦争の犠牲者とマラリア以外の病気の死者を足した数よりもマラリアの死者の方が多いと言われている。オブロクタ博士によれば、マラリアの死者数は全世界で増加傾向にあるという。アフリカでのマラリアによる死亡者は、5歳以下の子供が多い。マラリア治療に有効な薬剤はあるが、経済的、政治的な理由で使用できない場合が多い。また、薬剤や殺虫剤に抵抗力がある蚊の出現で効果が期待できないこともある。マラリアのワクチンはまだ開発されていない。オブロクタ博士の研究室では、遺伝子操作で蚊の性質を変えて、マラリア感染の連鎖を分断しようとしている。博士らが特に注目しているのは、蚊がマラリア原虫を運ぶ性質である。これまでの研究で、蚊のゲノム(遺伝情報)を変える方法や、マラリア原虫への耐性をつけるにはどの遺伝子を加えればよいかについては、ほぼ解明しているという。今後は、こうした遺伝子操作をした蚊の新しい性質を、他の蚊へ広げていかなければならないが、この研究はまだこれからだ。