2007年02月14日
肥満には腸内のバクテリアが関係しているという米ワシントン大学での研究が、国際科学誌「ネイチャー」2006年12月21日号に掲載された。食物の消化・分解を助ける腸内細菌は、グラム陽性菌門とバクテロイデス門に大別され、これらが腸内細菌の90%以上を占めている。同大学の研究チームは、肥満の人は、やせた人よりもバクテロイデス門の細菌の割合が少ないことを明らかにした。研究チームはこの結果を基に、マウスを用いた実験をしたところ、肥満のマウスはバクテロイデス門の細菌が少ないだけではなく、消化しにくい食物を効果的に分解する遺伝子が多いことを発見した。肥満マウスの糞に残ったカロリーは、やせたマウスのものより少なかった。このことは、肥満マウスが食物からやせたマウスより多くのカロリーを摂取してしまうことを示している。また、肥満の人が1年間、脂肪と炭水化物が少ない食物を摂取した場合の腸内細菌を観察する実験も実施した。ダイエット(実験)の前は、肥満の人はグラム陽性細菌門の細菌が多く、バクテロイデス門の細菌が少なかったが、ダイエット(実験)が進むにつれて、グラム陽性細菌門の細菌が減り、バクテロイデス門の細菌が増加した。研究チームのリーダー、ジェフリー・ゴードン博士は、「肥満の原因は過食と運動不足と言われているが、我々はそれ以外の要因にも関心がある。何故なら、近年、あまりにも急激に肥満が増加したし、同じ様な条件なのに太りやすい人がいるからだ。腸内細菌のコントロールで肥満を防止する手がかりが得られるかもしれない」と述べている。