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2006年11月20日

糖尿病の新治療法になるか−−レプチン遺伝子治療

食欲をつかさどるホルモンであるレプチン(leptin)の産生を遺伝子操作で強化することによって、インスリン(insulin)の過剰分泌が抑制できることが、動物実験の結果で示された。インスリンの過剰産生によって身体がインスリン抵抗性を獲得してしまう2型糖尿病のインスリンレベルを正常化させる新しい治療法になる可能性がある。この動物実験は米フロリダ大学(University of Florida ,Gainesville フロリダ州ゲインズビル)のサトヤ・カルラ(Satya Kalra)教授(神経科学)らの研究チームによって実施され、国際生物科学誌「Petides」2006年9月号で報告された。報告によると、動物実験で視床下部におけるレプチン産生を強化することによって、正常血糖値が保てるかどうかを確認した。インスリン抵抗性マウスを作成し、その末梢神経に影響がないように、脳室内にレプチンの産生を促す遺伝子を注入し、高脂肪食を与え、7週間観察した。その結果、2型糖尿病を悪化させる高脂肪食を摂取したにもかかわらず、レプチンの産生を促す遺伝子を注入したマウスのインスリン産生は正常化し、インスリンレベルが維持され、適正な血糖値の状態を維持していた。遺伝子注入をせずに高脂肪食を摂取させたマウスは、インスリンの過剰産生と高血糖の状態が継続した。論文責任執筆者のカルラ教授は「これは素晴らしい効果だ。視床下部におけるレプチン産生増強が、インスリンの分泌をコントロールするというエビデンスは、これまで確立されていなかった」と述べている。「この結果から、糖尿病における2つの新たな方策が示唆できる。視床下部におけるレプチン産生の増強によって、膵臓によるインスリン産生とは独立したインスリン産生の正常化が図れること。そして、中枢神経のレプチン産生強化によって付加的な糖尿病治療が実施できる」「このレプチン遺伝子治療によって、インスリンの分泌をコントロールできるようになるかのしれない」ともカルラ教授は述べている。