2006年11月16日
医師に診てもらうと、大概、薬をくれる。飲み薬、塗り薬、注射薬、などなど。その中に、慢性的でかつ長期にわたって使う薬などが特にそうだが、これを症状いかんにかかわらず、長期に使ったら、治療薬のみならず、予防薬にならないだろうか、と思う事がしばしばある。これを実際に大掛かりに長期にわたって試した試験がある。その試験結果が、英医学誌「ランセット」(Lancet)2006年9月19日号に要約のかたちで掲載された。この試験には、34人の研究者が参加したが、内8人は、製薬会社と関連がある研究者だった。被験者は全部で5269人の中年の男女で、発病はしていないが、血糖値が高目で、いつ糖尿病と診断されてもおかしくない人達だった。彼らを、毎日、糖尿病治療薬「アバンディア」(Avandia)を服用するグループと偽薬を服用するグループにわけた。そして全員に健康的な食習慣と生活習慣を指導した。そして、3年後に調べたところ、アバンディアを服用していたグループの11%が糖尿病と診断されたのに対して、偽薬を服用したグループの発病率は25%だった。全体で938人が糖尿病を発病した。この試験結果だけでは、糖尿病治療薬が予防薬として有効であるとは断定できなかったが、有効性は示唆されたと研究者達は見ている。さらにこの様な研究をすすめて治療薬を予防薬として有効につかえるかどうかに、研究者達は関心を寄せている。