2006年10月16日
インドネシアで今春(2006年)、家族7人が死亡した鳥インフルエンザ集団感染で、患者から分離されたウイルスには、世界保健機関(WHO)が公表していない多くの遺伝子変異があり、感染の繰り返しにともなって、遺伝子変異が増加した痕跡が見られると、科学誌「ネイチャー」が報じた。同誌は、専門家が作成した非公開資料を入手したとしている。変異の大半は、重要なものではないとの事だが、「ネイチャー」では、これらのデータが、WHO関連のごく少数の科学者にしか知らされていない点を問題視している。ウイルスの詳細な分析のためのデータを公開すべきだとの意見が、同誌に掲載された。問題の集団感染は、家禽から感染したインドネシア北スマトラ州の女性を起点に、その家族ら計8人が感染した。感染経路で、女性から甥、その甥から甥の父親へは、鳥インフルエンザウイルスのヒトへの定着を促進しかねない「ヒト・ヒト」感染が2回連続で発生したとみられている。女性から直接感染した5人のウイルスの変異箇所は、1〜4ヵ所だったが、連続感染した父親のウイルスには、21ヵ所に変異があり、「ヒト・ヒト」感染の連続で変異が急増した可能性が示されている。また、変異したウイルスの中には、抗ウイルス剤アマンタジンへの耐性を示すものがあったとのこと。ある専門家は、「このケースでは、鳥インフルエンザで最も恐れているヒトからヒトへの連続感染の可能性が高い。徹底的に調べる必要がある」とし、WHOがデータを公開していない事を批判している。