2006年10月31日
緑茶(日本茶)を日常的に多く飲む人は、心疾患のリスクが低いという、日本で実施された大規模な研究結果が米医師会誌「JAMA」(Journal of theAmerican Medical Association)9月13日号に掲載された。この研究は、東北大学大学院医学系研究科の栗山進一助教授らのグループが行った。日本の東北地方に居住する心疾患、脳卒中、がんの病歴がない40〜79歳の健康な成人、4万350人について、全死因による死亡を11年間、死因別の死亡を7年間、追跡調査した。11年間で約4000人が死亡し、死因別の7年間では、心疾患で892人、がんで1134人が死亡した。緑茶摂取量で比較すると、1日5カップ(1カップは約240cc)以上緑茶を飲むグループは、1日1カップ未満のグループよりも、全死因による死亡リスクが16%低く、心疾患の死亡リスクは26%低かった。この死亡リスクの差異は、女性の場合、さらに顕著で、31%低かった。がんのリスク低下、紅茶やウーロン茶でのリスク低下は見られなかった。緑茶の効用は、ポリフェノール(polyphenol)の一種である、エピガロカテキン-3-ガレート(epigallocatechin-3-gallate)という成分にあると考えられている。これは、強力な坑酸化作用をもつ物質で、心疾患予防の働きがあると言われている。緑茶の疾患予防効果は、これまで、動物の研究で示されることが多かった。ヒトでの研究は少なく、結果も一致していなかった。その意味で、栗山助教授らのグループの研究は規模も大きく貴重だ。米食品医薬品局(FDA)は、2005年に緑茶のがんへの効用、2006年初めに心疾患への効用は、支持できる根拠がないと報告している。栗山助教授は、「今回の結果はヒトでの緑茶の効用を明確に示している」と述べている。しかし、「この結果は、単に観察データにすぎず、ランダム(無作為)化研究が必要」という専門家の指摘もある。この研究には、日本の厚生労働省が資金を提供した。