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2006年10月10日

「50歳で肥満」は早死?米国立がん研究所の発表に異論

米国立がん研究所(NCI National Cancer Institute)は、この程、「50歳時点で肥満の場合、早死の危険性が急激に高まる」という発表をしたが、一部の研究者は、この報告を「不確実で人騒がせな情報」と批判している。医学専門誌、ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスンに掲載されたNCIの報告では、NCIは、50歳から71歳の男女52万7265人に対し、健康状態、食生活、喫煙の有無、現在の身長と体重、50歳時の体重について尋ねた。その結果は、標準体重(BMI標準値22)を少しでも超えていると、早死の確率が20〜40%高まるとしている。ただし、喫煙習慣や慢性病、50歳時点の体重について回答がなかった18万6000人の情報は、分析から除外されていた。この報告に一部の研究者が激しく反論している。ケイス・ウェスタン大学のポール・アーンスバーガー助教授(栄養学)は、肥満を悪いと結論づけるために一部のデータだけを分析していると指摘し、「データを都合良く解釈している」と批判している。50歳時の体重について、多くの回答者が本人の記憶だけを頼りにしている点も信用できないという指摘もある。従来の調査でも、肥満は早死、がん、糖尿病、心臓病のリスクが高いという結果が出ている。ただし、標準体重を少し超えている場合、コレステロール値と血圧は高い傾向にあるが、早死のリスクが高いかどうかは確定されていない。米疾病対策予防センター(CDC)による2005年の調査では、やや体重が多めの方が長生きという結果が出ている。しかし、NCIの今回の調査では、50歳時点でBMIが22を少しでもオーバーすると早死のリスクが2~3倍となる。また、男女差が大きいデータもある。男性の場合、BMIが25~26.4の「やや超過」なら早死のリスクはないが、女性の場合はリスクが上昇したとNCIは報告している。肥満度指数、ボディ・マス・インデックス(BMI Body Mass Index)は、体重kg÷身長mの2乗で計算する。CDCによれば、米国人の3分の1が、BMI25~29.9の肥満、人口の3分の1がBMI30以上の高度肥満とのこと。肥満が国民病となっている米国では、肥満に関するデータが数多く報告されるが言うまでもなく、慎重に取り扱うことが必要だ。