2006年08月23日
AECインヒビター(AEC inhibitor)と呼ばれる種類の降圧剤を、妊娠中に飲んだ母親は、異常のある赤ちゃんを生む危険性が高いことがわかったと、2006年6月8日発売の米医学誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン」で発表された。AECインヒビターは、大きく分けて3種類ある降圧剤のうち、アメリカでは2番目に多く飲まれており、昨年(2005年)は、処方は1億4900万件に上った。AECインヒビターは、以前から、妊娠を3つの期間に分けた時の第2期、第3期にはじん臓障害を起こす危険があるから、使用しないように、と言われている。しかし、第1期に使った場合の副作用については、とくに明記されておらず、妊婦は、妊娠初期には安心して使ったいた。この研究は、バンデビルト子ども病院の小児科医、ウイリアム・クーパー博士らが、1985年から2000年にかけて、テネシー州で出産した2万9507件について調べたもの。そこで生まれた赤ちゃんのうち、209人が母親が妊娠中にAECインヒビターを飲んでいた。そして、209人のうち18人の赤ちゃんに障害があった。同じ降圧剤でも、AECインヒビター以外の薬を飲んでいた母親からは202人の赤ちゃんが生まれたが、この子たちのうち4人に障害があった。計算すると、AECインヒビターの母親から障害児は生まれた割合は7.1%、他の降圧剤を飲んでいた母親から障害児が生まれた割合は1.7%ということになる。降圧剤を全く飲んでいなかった母親から障害児が生まれた割合は、2.6%だった。ここで言う赤ちゃんの障害は、その3分の1は心臓、4分の1は四肢(手足)にかかわるもので、10分の1は脳や脊髄となっている。このように、降圧剤によって、障害をもった子どもが生まれる割合がはっきりと異なっていることがわかったのは、25年前にAECインヒビターが導入されてから、初めてのことである。障害をもった赤ちゃんを生んだ母親が、AECインヒビターを、妊娠のどの時期に飲んだのかは、よくわかっていないが、妊娠後期には飲まないよう、と注意されていたので、おそらく、妊娠の始めのころに飲んだと思われる。これについて記者会見をした、FDA(米食品医薬品局)のロバート・テンプル博士は、「もっとデータがほしいところだが、印象とし、この研究結果は、一般の人に通知するに値すると思う。少なくとも、妊婦は、AECインヒビターを避けて、他の降圧剤を使うべきだろう」とコメントしている。