2006年08月11日
石油や石炭など、化石燃料の燃焼で、大気中の炭酸ガスが増え、いわゆる温室効果による地球温暖化が進んでいる。実際に、北極の氷がとけだし、海面が上昇するなど、温暖化を示す兆候が、各地で現れている。とは言え、いまのところ、これが人間の健康に直接的に影響を与えるまでには行っていない。ところが、国際科学誌「ネーチャー」2006年6月号に、炭酸ガスの濃度が高まると、毎年アレルギーで苦しむ人たちの悩みの種であるブタクサ(ragwood)の花粉の発生が早まり、かつ、花粉の量が増えることがわかった、とハーバード大学の研究者たちが、報告している。 研究者たちは、人工的に気温などを調節できる温室を使って実験したところ、気温の上昇とともに、炭酸ガスの濃度がぐんぐん上がり、その中のブタクサの花粉生産が早まり、さらに、花粉を発生する時期が長くなり、花粉の総量もぐんと増えた。ブタクサは、毎年春になると、真っ先に花粉を放出し、アレルギーもちの人たちは、これを吸って花粉症で苦む。だから、花粉症の人たちは、自然界の花粉の動きには敏感である。この研究を行った研究者たちは、「ネーチャー」の中で、「われわれの実験結果が示唆するところは、このまま地球が温暖化し、温室効果が進むと、花粉の季節の到来が従来より早くなり、花粉症の被害もひどくなるだろう、ということである。関係当局は、花粉情報を早く出し、花粉対策に関する指示を徹底させることがますます重要になる」と述べている。さらに研究者たちは、「われわれのこの結論は、近ごろ春が早くなった、という各地からの報告と一致している。われわれのまとめによると、10年ごとに、平均して春が5日早く来ている。春が早く来て、花粉の時期が早くなり、長くなることは、われわれの健康に重大な影響を与えることはまちがいない」と書いている。