2006年07月18日
「職業がらストレスが多い。だから、高血圧になるのも無理ない」と言われることが多い。とくに、人間を相手に仕事をする仕事。例えば、医師、教師など、あるいは、いつもいのちの危険にさらされている職業、例えば、警察官、消防士、パイロット、バスやタクシーの運転手などは、片時も気を許せないので、血圧が上がるのは当然、と思われている。しかし、実際には、「ストレスの多い職業についていると高血圧になる」ということは非常に少なく、現代人にとって、高血圧の原因となっているのは、職場の上役の善し悪しにある。つまり、毎日働く職場の人間環境にある」とする論文が、雑誌「現代の高血圧」(Current Hypertension Reviews)2006年5月号で発表された。この研究を行ったのは、米コーネル大学医学部教授のサミュエル・マン博士らで、過去50年間に発表された、仕事のストレスと血圧との関連を調べた48件の研究を、再検討した。その結果、職種によって、高血圧になりやすい、ということことをうかがわせる研究はなかった。なかに、職業にともなうストレスが原因で高血圧になった、という研究事例があったが、よく調べてみると、研究方法や統計処理に疑問があって、正しい結論ではなかった。マン博士は「ストレスの高い職業につくと、一時的には、血圧が上がるが、それはどんな職業についてもそうである。それは、その職業が本来持っているストレスから来るのではない。高血圧になりやすい職業というのはないと考えてもいい」と述べている。そして、もし、仕事について、血圧が上がったとすれば、「それは、その職業が原因ではなく、職場環境が悪かったり、人間関係に問題がある。その結果、過食、過飲(やけ酒)に走り、それが血圧を上げ、不健康にしている」と言っている。つまり、どんな職業でも、気を張って、かつ、楽しく仕事についておれば、高血圧症になることはなく、仕事以外の面でストレスを感じると、血圧が上がり、病気になる、ということのようだ。