2006年07月06日
高齢者がインフルエンザ・ワクチンを接種する。これでひと安心、というのは早い。人によって、ワクチンの効き目が違うことがわかった、からだ。雑誌「脳と行動と免疫」(Brain,Behavior and Immunity)2006年5月号にこんな論文が載った。イギリスのバーミングハム大学の研究員、アンナ・フィリップスさんをリーダーとする研究者たちは、65歳以上の高齢者184人を集めて、血液を採取して、まず、インフルエンザ・ウイルスに対する抗体ができているかどうか、を調べた。それから、各自に詳しいアンケートを配り、記入させた。その内容は、過去1年の間に、身の回りに起きたこと、看護する人、連れ合いや家族に起きた事柄、健康状態、などについての質問をした。それから、各自に、3種類のインフルエンザ・ワクチンを接種した。それから1年後、各自のワクチンに対する反応を知るために、抗体を調べた。その結果、過去1年間に、連れ合いとか親友などを亡くした人が32%いたが、そういう人たちは、インフルエンザ・ワクチンに対する抗体のでき方が、明らかに弱く、逆に、取り立てて問題が少なく、ハッピーな老後を送っていた人たちは、抗体のでき方がよく、その違いは、統計的にも有意な違いがあったいう。研究者たちは、同様な試験を若い人でも行った。その結果、やはり若い人でも、ストレスが大きい出来事があったばかりの人では、免疫反応がにぶく、抗体のでき方がわるかったが、連れ合いを亡くした老人ほどではなかった、という。この研究から、フィリップスさんは「ワクチンを接種をしたあとの老人について、身の回りに起きたことにもっと関心を寄せ、必要に応じて、相談にのってやるなど、いい意味で干渉したほうがいいかもしれない」と語っている。