2006年06月02日
発毛剤には、ミノキシジルなど「頭皮に擦り込む液体」と、プロペシアなど「飲む錠剤」がある。液体の方は、男性用、女性用と2種類あるが、プロペシアは、成人男性用だけで、女性ヤ子どもは使ってはならない。プロペシアをFDAが認可したさいにも、「妊娠中、あるいは、妊娠の可能性のある女性と、子どもは絶対に使ってはならない。割れた錠剤を触ってもいけない」と厳重注意がついていた。理由は、プロペシアの成分である「フィナステライド」(finasteride)が、体内で、っ男性ホルモンのテストステロンに変化が起き、胎児が男の子の場合、外部生殖器に異常が起きる可能性があるからだ。すなわち、生まれてくる子どもが男の場合、プロペシアを飲んで、子どもに取り返しのつかない問題が残る可能性があるからだ。しかし、女性にも、頭頂や前頭部の生えぎわに、特有のパターンをしたハゲができることがある。はじめに、毛がだんだん薄くなり、一本一本の毛も細くなり、ついにハゲになるのだが、もし、こういう女性が頭皮に擦り込む液体を使っても、効き目がないとわかった場合、飲み薬もだめとなると、どうすればいいのだろうか。そこで、あえて、プロペシアを女性に使ってみる試験が、行われた。試験では、生まれてくる赤ちゃんに問題が残るといけないから、被験者の女性は、経口避妊薬を飲んで、妊娠しないようにした上で、テストが進められた。被験者は37人で、全員、女性特有のハゲがあり、毎日プロペシアを飲んだ。こうして1年後、ハゲの部分を写真をとって調べたところ、37人中23人の女性が、“患部”の毛髪の密度が改善されていた。これは全被験者の62%に当たる。被験者のうち、13人(35%)は、1年前と毛髪の状態に変わりなく、前より悪化したという人が1人いた。また、「全体として髪の状態はどうなったか」の問いに対して、29人(78%)が、「よくなった」と答えた。8人(21%)は、「変わりなし」と答えた。この試験結果から、ハゲに悩む女性は、妊娠を犠牲にするつもりなら、プロペシアを使ってみてはどうか、と研究者たちは言っている。女性のハゲは、普通、閉経後から薄くなり始めるが、早ければ、思春期から始まるケースもある。なお、この研究は、雑誌「皮膚科学紀要」(Archives of Dermatology)2006年3月号に掲載されている。