2006年05月10日
WHO(世界保健機関)とCDC(米疾病管理予防センター)は、共同で、世界の結核の状況を調査した結果を、2006年3月23日発表し、そのなかで、「多種類の抗生物質が効かない結核が増えており、結核が“死の宣告”にも等しい地域が多くなっている」と警告した。それによると、WHOとCDCは、2000年から2004年にかけて、6つの大陸の25の結核研究所施設を調べたところ、発生した結核の50件に1件の割合で、結核の治療に使われる通常の治療薬(第一線抗生物質)だけでなく、その他の治療薬(第二線抗生物質)に対しても、抵抗性があり、治療が難しくなっていることがわかった、という。このような、第二線抗生物質は、普通、毒性が高く、かつ、効果が薄いため、第二線抗生物質でも治らない結核は、非常に治療が難しくなっているという。この共同調査でしらべた結核の20%が、従来有効だった数種類の抗生物質に対して抵抗性があり、全体の2%が、ほとんどの抗生物質が効かなくなっていたという。「どの治療薬にも耐性のある結核菌をもっている患者は、死を宣告されたも同然です」と、WHO「ストップ・ザ・結核」プログラムの専務理事、マルコス・エスピナーレ博士歯話している最悪の状況にあるのは、バルト3国の一つであるラトビアで、とくに、ソビエト連邦が崩壊してから、結核が蔓延し、治療できなくなっている、という。結核にかかった患者が、薬剤で完全に治療できない状態で放置されているので、状況がますます悪化しているのだという。アメリカでは、結核16万9654件について薬剤耐性をしらべたが、1.6%が複数の抗生物質に対して抵抗性があり、0.04%が、ほとんどの抗生物質が効かなっていたという。このような難地患者のほとんどが、メキシコ、フィリピン、べトナムなど外国出身者だったという。いずれにしても、これまで、完治していた結核が、耐性菌の出現で、世界的に、だんだん治らなくなってきており、このまま行くと、大変な事態を招くおそれが十分ある、とダWHOとCDCの専門家は憂慮している。