2006年05月22日
米アリゾナ州フィーニクスにある「ゲノム解釈研究所(Translational Genomics Research Institute)が、2006年3月30日、てんかんを引き起こす原因となる遺伝物質を発見した、と発表した。これを発表した、同研究所の神経ゲノム部長、ディ−トリッヒ・シュテファン博士は、「この発見は、子どものてんかんについての理解を深め、てんかんと自閉症の治療薬の開発につながる研究の第一歩である、と期待している」と述べた。このてんかん遺伝子の研究は、ペンシルベニア州に住む、「オールドオダー・アーミッシュ」(Old Order Amish)の子どもたちの健康を、遺伝的な観点から調べている現地の研究所との共同で行われた。ア−ミッシュは、キリスト教プロテスタントの一派で、17世紀半ばから、ペンシルベニア州を中心に、アメリカのいくつかの地区で、独自の閉鎖社会をつくって、電気や自動車など近代文明を排除して、戒律を守り、質素に暮らしている集落だ。したがって、そこには限られた遺伝子がプールされており、すぐれた遺伝研究の場となっている。現在使われているてんかんの薬は、いろいろなタイプのてんかんのうち、40%には効かない、と言われており、より有効な治療薬が期待されている。てんかんは、脳の構造、ないし、脳内の化学物質に異常があり、これが、神経細胞の電気的活性に影響を与えているのが原因とされている。また、自閉症も、神経の伝達網の異常が原因とされており、どちらも、その遺伝的な側面から解明されれば、治療薬の開発が進む、と言われている。てんかんの症状は、おもに、発作的に起きる、ひきつけ、けいれん、などが症状で、アメリカには、子ども、成人合わせて200万人の患者がいる。自閉症の症状は、言語障害、他の人との交わることが困難、などで、アメリカには、自閉症の症状がある人は150万人、うち、子どもが10万人が学齢期のこども。治療薬はない。