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2006年05月11日

自身の組織を使って膀胱を再生−−患者7人に移植成功

患者自身の組織を、実験室で培養、成長させ、これを移植して、膀胱(ぼうこう)を再生させることに、7人の若い患者で成功した。これは、2006年4月4日、英医学誌「ランセット」のオンライン版で報じられた。これまで、皮膚、骨、軟骨など、比較的単純な組織を、実験室で再生させ、移植に成功した例はあるが、複雑な機能をもった臓器を、組織から再生させたケ−スは初めてで、今後、より複雑な臓器の再生、移植に道をひらくものとして、期待されている。この研究を行ったのはボストン子ども病院で、移植を受けた7人の患者は、4歳から19歳の子どもばかり。この病院では、組織から作られた膀胱の膀胱移植を、1999年以降行ってきたが、移植後の経過を見極めるため、発表を控えてきた。移植手術を受けた子どもたちは、そろって、「おかげで尿漏れがなくなった」と言っている。医師も「子どもたちの、クオリティ・オブ・ライフ(生活の質)が向上して、喜こんでいる」と話している。研究リ−ダ−のアンソニ−・アタラ博士は、「自身の組織を使って臓器を再生させ、移植する方法は、今後臓器提供の不足の問題を解決する手段として、有望である。われわれの研究成果は、そのためのモデルとなるだろう」と述べている。また、組織再生技術の権威、スティ−ブン・ベイディラック博士(ピッツバ−グ大学)は、「すばらしい成果だ。こんなことができた、という証拠を提供しただけでなく、多方面の一人一人に、勇気を与えた」とコメントしている。膀胱に障害をもつ人は、アメリカだけでも3500万人いるが、この「組織再生移植法」(アタラ法と呼ばれている)は、この人たちにとって朗報だ。しかし、今後移植例が増え、経過年数が経つと、どんな問題が起きるかわからない、と専門家は見ている。イリノイ州の泌尿器科医、スティ−ブ・チャン博士は、例えば、膀胱と尿管との接合部、血液の供給、神経の働きなどに問題は生じないか、よく見極める必要がある、と言っている。