2006年04月19日
年を取ると、動きが緩慢になり、仕事の効率が悪くなるのは当たり前、と思っている人が多いが、それは間違い、ちょっと運動するだけで、見違えるほど動きが良くなり、仕事の効率が上がる、という報告が、「米心臓病学会誌」(The Journal of the American College of Cardiology)最新号で発表された。この研究を行ったのは、ワシントン大学のスージー・ウー博士らで、お年寄りが緩慢になるのは、一口に言うと、体内で、酸素が効果的に使われていないからだ、という。例えば、60歳代、70歳代になると、1時間かけて3マイル半(5.6キロ)歩くと、若い人より、細胞レベルでの酸素消費量が20%も多いという。同じ仕事をしても、それだけ酸素を多く使っているのだ。年を取ると、もともと、心臓が全身に送り出す血液の量が少なくなる。したがって、全身に送り出される酸素が少なくなる。その上に、細胞レベルでの酸素の効率が悪くなると言う、いわば、“ダブルパンチ”で、高齢者は動きが緩慢になる、というのだ。しかし、同博士らは、この細胞レベルでの酸素消費の効率をアップさせる方法があるという。それは、エクササイズ(運動)をすることである。少しでもエクササイズをすると、お年寄りの細胞レベルでの変化は著しく、それによって、酸素消費の効率が向上することを、研究者たちは確認したのだ。研究者たちは、ボランティアを、お年寄りと若い人のグループに分け、両グループとも同じように、ウォーキング、ジョギング、サイクリング、ストレッチ体操を90分間、1週間に3回の割合で、実行させた。これらのエクササイズを行う前と後で、細胞レベルでの酸素の効率を調べたところ、その変化の割合は、お年寄りグループが、若い人よりはるかに大きかった。つまり、運動がお年寄りの機能をよみがえらせることがよくわかった、という。「エクササイズによって、老若間で、これほど大きな違いが出るとは全く予期していなかった。お年寄りは、無理しない範囲で、徐々に運動量を増やしながら、運動を続ければ、見違えるほど活動的になること請合い」と研究者たちは言っている。