2006年03月27日
このところ、健康な食事を論ずるさいに、必ず登場するのが、「全粒」(whole grain)という言葉である。昨年(2005年)米政府が出した「米国民のための食事ガイドライン」(Dietary Guidelines)でも、「全粒を毎日よく食べると、心臓病。がんの予防になることが証明されている。米国民は、少なくとも1オンス(約30グラム)の全粒食品を1日3回 食べるように」と勧めている。全粒と言えば、文字通り、小麦、米などの穀粒で、精白していないもの、あるいは、玄米、ふすま、胚芽のことをいうのだろう、と漠然と理解されている。が、例えば、砕いた穀粒や、臼(うす)で挽いた穀粒や、穀粒をそのまま製粉したものは、全粒食品といえるのか、といった疑問がある。数ある穀粒食品を、全粒食品かそうでないのか、一つ一つ区分けするのが難しい、と言う声が、とくに食品加工業者から上がっていた。そこで、FDA(米食品医薬品局)は、2006年2月15日、初めて「全粒の定義」を決めた。FDAが決めた定義によると、全粒には、穀粒のなかにつぎの3つの成分が含まれていなければならない。
(1)ブラン(bran, ぬか、ふすま) (2)胚乳(endosperm, 胚の発育に必要な養分を蓄えてある組織)(3)胚芽(germ)
そして、食品の中で、これらの3つの成分が、自然な状態で植物中に含まれる割合で存在していなくてはならない。つまり、成分を人為的に付け足したり、差し引いたりして、バランスをくずしてはならない、というのだ。FDAの「食品安全・応用栄養センター」(Center for Food Safety and Applied Nutrition)のバーバラ・シュニーマン所長は、全粒の定義は、主に、食品業界を念頭において、つくられたのだが、一般の消費者にとっても、これを 知っておくことは重要なことである。とくに、使われている言葉がに何を意味するのかは、よく知っておかなければならない」と話している。 これに対して、大手の消費者団体である「公的利害のための科学センター」(Center for Science in the Public Interest)の栄養担当者、バニー・リーブマンさんは、「全粒の定義ができたことは結構なことだが、現実問題として、われわれが普通食べているのは、全粒食品と精白 された穀物の混合物であることを知るべきだ。全粒食品を食べているつもりでも、同時にその3倍もの精白された穀物を食べていることが多い」と、定義も必要だが、食べ方こそ肝要であることを、強調している。