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2006年03月10日

首の筋肉を強化しても頭部のケガの予防にはならない

首の筋肉を強化する訓練をしているスポーツ選手は多い。首を丈夫にしておけば、競技中に突然衝撃を受けた時などに、頭部を負傷するリスクが減って、脳を保護してくれる、と思われているからだ。そこで、米ペンシルベニア大学のジェイミー・マンセル博士らが、こんな実験を行った。全米大学体育連盟(National Collegiate Athletic Association) に所属するサッカーの選手男女36人を2つのグループに分け、1つのグループには、オフシーズンに、首の筋肉を強化するための特別なエクササイズ・プログラムを8週間施した。その結果、エクササイズを行った女性は、首回りが大きくなり、男性は首の筋肉が強くなっていた。エクササイズ終了後、エクササイズをした選手と、エクササイズをしなかった選手を椅子にすわらせて、外部から力を加える装置につないだ。この装置は、コード、滑車、重量挙げに使われるようなウエイトなどからなっていて、首の筋肉に任意の圧力を加えられるようになっている。この装置から被験者に力を加えたのだが、これから力が加わりますと予告して緊張させておく場合と、予告なしでいきなり力を加える場合があったそこで、被験者が、外部からの力に対して抵抗する力を測定したところ、エクササイズをした、しなかったにかかわらず、抵抗力に違いはなかった、という。このことから、研究者たちは、首の筋肉を鍛えるエクササイズをしても、外部からうけた衝撃に抵抗する力には違いはない、と結論づけた。抵抗力に違いがない、ということは、衝撃を受けたさいに受けるダメージに違いがない、というわけで、首の筋肉トレーニングは、ケガ防止にはあまり役に立たない、と研究者は結論づけた。しかし、共同研究者のライアン・ターニー氏は「トレーニング方法を変えれば、違った結果が出るかもしれない」と言っている。この研究は、2006年1月発行の「運動トレーニング・ジャーナル」(Journal of Athletic Training)に掲載された。