2006年03月08日
ニューヨークタイムズ紙が2006年1月31日伝えたところによると、ニューヨーク市では市内のすべての公立学校の給食から、全乳(ホールミルク、whole milk、脂肪分を除かない牛乳)を全面的に追放することにした。その理由は、子どもの肥満防止のため。とにかく脂肪分の摂取を少しでも減らして、子どもたちの健康を守る、と説明されている。しかし、全乳は追放するが、脂肪分1%乳、スキムミルク、は従来通り、学校給食に残される。フレーバーつきのミルクは、チョコレートのスキムミルクは残すが、バニラ、ストローベリーは姿を消すことになっている。すでに、ニューヨーク市内ではブロンクス区やマンハッタン区の一部の学校では全乳を追放しているが、これが全市、全校に広がることになったのだ。全乳追放について、医師、栄養士、学校の保健婦などはおおむね賛成している。というのは、肥満や、かつては大人の病気だった、糖尿病、高血圧、心臓病が、子どもの間に広がっている現状に対応するには、とにかく、脂肪分、その他の不 健康とされる食品や食品成分を、学校から除去することが先決であると、関係者は切羽詰まった気持ちになっているのだ。全乳と1%乳やスキムミルクとでは、乳脂肪分やカロリーの違いは、1回分(0.5パイント=約240ミリリットル)ではわずかだが、週に5回飲むとなると、子どもの健康に非常に大きな影響がある、と関係者は言っている。しかし、1%乳やスキムミルクは味がよくないので子どもたちに人気がなく、したがって、全乳追放で、子どもたちの牛乳摂取は全体に大幅に減り、そのため に、子どもたちが、カルシウム不足になる恐れがある、と心配するむきもある。アメリカではすでに、ロサンゼルスはじめ、いくつかの地域で、全乳を学校給食からはずしており、今度のニューヨークの実施で、全乳よおさらば、の流れはますます広がりそうだ。なおアメリカの学校給食は、日本とかなり違っている。典型的な場合は、給食(スクールランチ)を食べるか、食べないかは、子ども(親)が決める。持参した弁当の子もいる。給食を食べる場合は、カフェテリアで食べ物を自分で選ぶ。選択範囲は限られているが、日本の場合のように、全員が一律に同じメニューを食べるわけではな い。だから、全乳を追放するということは、カフェテリアにミルクの小箱を置かないと、いうことである。最近では、白いパンを追放したところも多い。全粒のパンに代わったのだ。アメリカの学校給食は、1946年にトルーマン大統領の署名で発足した。以来、長年、赤と白の小箱に入ったホールミルクがそのシンボルだった。それがな くなれば大きく様変わりする。学校給食はいま曲がり角に来ている。