2006年03月03日
1週間に3回ウオーキングをするなど、軽い運動をするだけで、お年寄りは痴呆症になるリスクを減らす絶大な効果がある、と2006年1月発行の「米内科学紀要」(Annals of Internal Medicine)で報告された。この研究は、米シアトルにある「グループ健康組合」(Group Health Cooperative)が行ったもので、2581人の組合員から、65歳以上のお年寄り1740人を選んで、研究対象として調べた。この人たちにインタービューして、日常生活での運動の習慣を尋ね、同時に、記憶テストなどによって、精神的な能力が衰えていないかどうか、を調べた。その結果、被験者は全員、はじめはぼけの症状が全くない人たちばかりだった。こうして、約6年間観察し、その間に時折メンタルテストを行って、痴呆症が進んでいないかどうかをチェックした。結局、158人が程度の差があっても、なんらかのぼけの症状が起きていた。また、400人が、調査期間中に死亡したり、調査から脱落した。こうしてまとめてみると、運動を1週間当たり3回以上行っていた人が痴呆症を発症した割合は、1000人年当たり13件だったが、それよりも運動が少なかったお年寄りでは、1000人年当たり19.7件だった。(1000人年というのは、例えば、100人で10年間に起きた件数をいう)この調査結果について、「グループ健康組合」の研究所長で、この研究のリーダー、エリック・ラーソン博士は、「この調査データは、自己申告に基づくものであり、運動の強度などについては測定していない。また、たばこ、アルコール、教育水準、もともと病気持ちだったかかどうか、などについて調べていない。だから、これは大ざっぱな研究であることは認める。しかし、お年寄りの運動が、全般的に、痴呆症を予防する効果があることは認められる。しかも、相当な効果がある。われわれの推定では、週3回歩くなど、わずかでもちゃんと運動をしっかりやれば、ぼけ防止に効果があることは確かである。近ごろぼけたかな、と思ったら、すぐに運動を始めるといい。必ずぼけを先延ばしできる」と述べている。