2006年03月06日
米ミズーリ州セントルイスに「カロリーを制限する会」(Caloric Restriction Society)という組織がある。メンバーは、41歳から64歳で、毎日、栄養のバランスがいい食事を、1400カロリーから2000カロリーに制限して食べている。この会のメンバー25人の心臓の働きを、一日平均2000カロリーから3000カロリー食べる普通のアメリカ人と比較した研究が、「米心臓学会報」(Journal of American College of Cardiology)2006年1月17日号で報告された。それによると、カロリー制限食を長年続けている人の心臓は元気で、弾力性があり、その機能は、同年代の一般人より平均して15年若かった、という。この研究のリーダー、ワシントン大学(セントルイス)のルイジ・フォンタナ助教授は「われわれの研究によって、カロリー制限食を続けるということは、加齢による心臓の機能の衰えを、遅らす、あるいは、もとに戻す効果があることが、初めて示された。この会の人たちは、単に、食事の量を減らしているのではない。栄養のバランスをよく考え、伝統的な地中海食に似た食事を取っている。つまり、野菜、オリーブオイル、豆類、全粒穀物、魚、フルーツを中心とした食事で、精製された穀類や砂糖、加工した食べものは避けている。それに定期的に適度の運動を行っている」と述べている。以前に、マウスやラットに、カロリーを厳しく制限したえさを与えて育てたら、寿命が約30%延びた、という実験報告があった。カロリーを制限すると、がん予防効果もあったという。研究者たちは、これは、人間にもあてはまる、と見ている。「これまで、ヘルシーな食事と適度な運動を続ければ、人間は健康を維持できると言われてきたが、これに、摂取カロリーを制限する、を加えることにより、より効果があがることがわかった。ただし、あくまで、食事の栄養バランスを考えてのことである」とフォンタナ助教授は言っている。