2006年03月01日
いつも騒音や高い音にさらされていると、頭蓋骨の内側に、聴神経腫(ちょうしんけいしゅ)と呼ばれる良性の腫瘍ができて、これがさまざまな障害を引き起こす、という研究が発表された。研究を行ったのは、米オハイオ州立大の博士過程の学生、コーリン・エドワーズ氏で、雑誌「米疫学ジャーナル」(American Journal of Epidemiology)のオンライン版で発表された。同誌のプリント版、2006年2月15日号でも発表される。研究者たちは、スウェーデンで登録されている390万人の腫瘍患者の中から、聴神経腫(acoustic neuroma)の患者146人を集めて、いつも高音にさらされていないかどうか、について詳しく尋ねた。具体的には、市街地の交通騒音に相当する80デシベル以上の音をいつも耳にしていたかどうかを聞いた。そして、正常な人564人と比較した。その結果、全般的に、高い騒音にさらされている人ほど、聴神経腫ができやすいことがわかった、という。その程度は、いつも建設現場の近くにいる人の場合は、ほとんど騒音にさらされていない静かな環境で暮らしている人と比較すると、聴神経腫ができる割合は1.7倍、泣き叫ぶ子どもの側にいる人の場合は1.4倍、だった。しかし、腫瘍ができるもっとも顕著なケースは、音楽産業に所属していて、いつも、ヘビメタなど、非常に高い音の演奏に接している人たちで、そういう人に腫瘍ができるリスクは、普通の人の2倍だった。聴神経腫は、聴神経にできる腫瘍で、悪性ではないが、これができると、耳鳴りが起き、バランス感覚に異常をきたし、ひどくなると、耳が聞こえなくなることもあるという。研究者たちは、この研究では、患者の記憶を頼りにデータを集めたので、必ずしも正確ではないが、高い音の騒音をいつも耳にしていると、頭の中に腫瘍ができると言うことは間違いない、と言っている。耳にタコができる、というのも、まんざら、うそではないようだ。