2006年02月23日
アメリカで、食品から、トランス脂肪(trans fat)を追放する動きが強化された。今月(2006年1月)から、すべての食品に、トランス脂肪の含有量を明記することが義務づけられたのだ。実際には、食品の容器や包装につけられている栄養成分表の中で、飽和脂肪の項目のすぐ下に、トランス脂肪の量を明記するようになっている。これまでも、トランス脂肪のラベル表示は行われていたが、「partly hydrogenated」(部分的に水素された)脂肪、といった表示になっていて、なんのことかよくわからない、という声があった。しかし、今度から、はっきりと「trans fat」と表示される。トランス脂肪は、植物性の液体の油に、水素を添加して固体化したもので、その代表がマーガリン。可塑性が高く、さまざまな形状に変えることができることから、クッキー、クラッカーまどに、パリパリ、サクサク感を与えるなど、いろいろな加工食品に利用されるようになった。もともと、植物油なので体にいい、と言われてきたが、10年ほど前に、トランス脂肪を摂取すると体内のLDL(悪玉コレステロール)が上昇する、という研究が出されて以来、トランス脂肪は健康の敵、ということになった。つまり、心臓病の原因になりやすい、というわけだ。調べれば、トランス脂肪が含まれている食品は意外と多く、一見、ヘルシーと見られているシリアルなどにも、トランス脂肪が含まれていることが次々と判明した。そこで、追放の動きが盛んになり、アメリカの消費者は、トランス脂肪に神経質になった。米政府の衛生当局は、トランス脂肪の摂取を回避する努力をすれば、アメリカ全体で、今後3年間に、心臓発作が1200件減り、250人ないし、500人の命が助かる、と推定している。