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2006年02月06日

虫だってバランスがいい、免疫力をつける食事をしている

虫は、食べる木の葉の種類を、毎日いろいろ変えている、という研究が以前に報告されたことがある。この時、好みの葉っぱを変えることによって、虫だって、栄養のバランスを考えているのだ、と解釈された。では、病気になったとき、あるいは、病気を予防するために、虫は何を食べるのだろうか。英オクスフォード大学のクワン・プム・リー博士らは、イモムシの一種、「Spodoptera littoralis」を使って、こんな実験をした。この虫は、いろいろな木の葉を食べることで知られている。まず、イモムシの体に病原性の強いウイルスを塗った。そして、ウイルスに感染したイモムシに栄養分が違うえさを与えた。えさは、たんぱく質と炭水化物の割合をいろいろ変えてある。その結果、イモムシの多くが1週間以内に死んだが、たんぱく質の割合が多いえさを食べさせた虫は、炭水化物が多いえさを食べさせた虫よりも、死ぬ割合が小さかった。つまり、たんぱく質を食べさせると長生きしたのである。それだけ、体に免疫力がついたからだ、と研究者たちは解釈した。次に、研究者たちは、健康なイモムシと、ウイルスに感染させて病気にしたイモムシを取り混ぜて、たんぱく質と炭水化物の割合が違う、いろいろな種類のえさを食べさせた。すると、健康なイモムシは、たんぱく質と炭水化物のバランスがいいえさを食べたが、病気のイモムシはたんぱく質の割合が多いえさを好んで食べた、という。こうして、虫は、自分の体のことをよく知っていて、体が要求する栄養分を取り込んでいる、と研究者たちは解釈した。リー博士は、「われわれの実験で、ウイルスに感染した虫は、その感染と戦うために必要な栄養分を補給するために、えさを選択していることがわかった。これは実験だが、自然界でも虫は、体の要求に応じて、食べる葉っぱの種類を変えるなどして、自らの健康維持に努力していることがわかる」と述べている。これはまさに、サプリメント(栄養補助食品)に他ならないのである。ただし人間は、お金を出してサプリメントを買っているが。なお、この研究はイギリスの「王立協会紀要」(Proceedings of the Royal Society B)11月号に掲載された。