世界最新!健康とサプリメント関連ニュース

健康とサプリメントニューストップページに戻る

2006年01月23日

米の薬剤師不足深刻--新卒に求人殺到

アメリカで薬剤師不足が深刻になっている。状況はますます悪化し、その影響が各方面で現れている。まず、薬学を修めた学生に求人が殺到している。卒業を控えた多くの大学生が、就職で頭を痛めているのを尻目に、ミズーリ・カンザスシティー大学薬学部のクラリッサ・ホールさんは、悠然としている。卒業がまだ来年(2006年)の5月だというのに、数社から入社のオファーがあり、初任給はいずれも最低年8万ドル(約1000万円)だ。彼女は言う。「私のクラスのほとんどの人のところに、求人関係者が訪れて、うろうろしています」アメリカの薬剤師不足の傾向は以前からあったが、10年ほど前からますます深刻になった。理由はいくつかあるが、まず、なるべく多くの人に薬が行き渡るようにする、という基本方針から、連邦政府が薬事面で新しく規制を増やしたために、薬剤師の仕事が増えたことがある。それに、高齢化が進み、新薬の開発、製造が増え、一般人向けの薬の広告が増え、さらに、処方せんの数が、10年前の年2億件から3億2000万件と、急激に増えた。加えて、来年1月から、メディケア(高齢者向けの健康保険制度)での処方薬に関する新しいプログラムが始まることも薬剤師不足に拍車をかけている、という。「全米チェーンドラッグストア協会」(National Association of Chain Drug Stores)によると、今年7月の時点で、加盟3万7000店で、薬剤師不足のために、空いている薬剤師のポストは、5950(空き率7.4%)に上っている。さらに、大手チェーンのドラッグストアではなく、地域社会で独立した薬局となると、薬剤師のポストが空くと後がまがいない、と言う状況が、この何年も続いている。メリーランド大学薬学部長、デービッド・クナップ博士はこう言う。「毎日、1時間あたり、何十もの処方せんが、薬局のカウンターに出される。老人など、一人でいくつもの処方せんを出す。薬剤師は薬を調合する一方で、医師に電話をかけ、糖尿病の患者の相談にのり、子どもにぜんそくの薬の使用法を教えている。毎日てんてこ舞している薬剤師が不足して、それができなくなるとどうなるのだろう。薬の相互作用の害が起きてもおかしくない」これに対して、各大学は、薬剤師の教育の拡充、新設を進めているが、一人前になるまでに時間がかかるので、いますぐ、薬剤師不足を補うことは難しい、と関係者は頭を抱えている。