2006年01月27日
不安障害(anxiety disorders)は、常に強い不安を感じる病気だ。不安障害のなかでも、パニック障害と呼ばれるものは、前ぶれもなくパニック発作を起こす。これが数分間続き、死ぬのではないか、といったことを感じることさえるあるという。目まい、動悸、発汗などの症状を伴うこともある。不安障害の患者は意外と多く、アメリカでは患者数が1900万人に上ると言われている。このような慢性病患者は、しばしば、病院を訪ねて診察を受けることになる。が、むしろ家庭にいる時に、病状をよくモニターして、適切に対処したほうがいい、というわけで、いま、アメリカで、医師や健康保険会社がタイアップして、「協同療法」(collaborative care)を始めるところが増えてきた。これは、患者一人一人に、「ケアマネージャー」と呼ばれる人(マネージャーは医師ではない)が決められて、患者と常に接触する、という療法。ケアマネージャーは普通、患者と電話で連絡し、病気の説明、症状のモニター、治療法の選択、などを行う。この協同療法は実際にどう有効か、を調べる研究がなわれ、その結果が、雑誌「一般精神医学紀要」(Archives of General Psychiatry)2005年12月号で発表された。この研究では、不安障害と診断された191人を、任意に2つのグループに分け、一つのグループには協同療法を、もう一つのグループには従来からの標準療法を施した。協同療法のグループは、月に1回の割合で、ケアマネージャーの電話を受けた。その度に、病気の話や、よもやま話で時間を過ごした。標準療法のグループは、時に医師のところへ行って、診察を受けただけだった1年後、調べたところ、協同療法のグループは、標準療法のグループよりも、不安やうつの症状が減り、病院の緊急治療室に運び込まれた回数が少なく、欠勤回数も少なくなった。そして、全般的に、クオリティ・オブ・ライフ(生活の質)が向上していた。しかし、この間に医師を訪ねた回数は、両グループでほぼ同じだった。こうしたことから、研究者たちは、メンタルヘルスの分野で、ケアマネージャーの資格が一つの職種として確立されれば、協同療法が普及し、在宅のままで、治療効果が上がると見ている。