2005年12月21日
糖尿病の合併症の一つに、下肢の神経障害がある。足先のしびれ、冷感、足にビニール袋をぶせたような無感覚、じんじんする痛みなどが症状だが、恐ろしいのは、靴ずれや魚の目など、ちょっとした傷口から起きやすい糖尿病性壊疽(えそ)だ。血行障害に、末梢神経障害障害による知覚低下なども加わって、皮膚や皮下組織が壊死(えし)する症状で、激しい痛みを伴う。重大な事態に至ると、足の切断をせざるを得ないことになる。毎年、アメリカでは、糖尿病性神経障害の患者の15%に当たる、約8万人の糖尿病患者が、足の部分切断を受けている。そうなると、命にかかわることも少なくない。そのような深刻な事態を招く前に、下肢の神経障害を診断するシステムが開発された、と英医学誌「ランセット」最新号で発売された。この新しい検査法は、皮膚に供給されている酸素を測定するもので、糖尿病で神経障害を起こす患者は、往々にして、下肢の皮膚が酸素不足の状態になっていることがわかったことから生まれた。さまざまな波長の光を当ててカメラで撮影し、いろいろなアングルから、足のイメージをとらえるもので、「医療用ハイパースペクトラル・イメージング」(Mwdical HyperspectralImaging)と呼ばれる。この検査で、皮膚への酸素供給水準が低い、とわかった場合は、よく観察して、爪が食い込むなど、ほんのささいな傷でも、気をつけて調べて、大事に至らないようにすべきだ、と研究者たちは言っている。