2005年12月13日
肥満度を示す目安として、いま世界で一番使われている「BMI」(ボディ・マス・インデックス)は、心臓病のリスクを知るためにも使われる。BMIは、体重(キログラム)を、メートルで表した身長の二乗で割った値のこと。これが25以上で体重オーバー、30以上で肥満と言うことになっている。そして、女性の場合、この値が28.2以上、男性の場合28.6以上あると、心臓病になるリスクが高い、とされている。ところが、BMIではどうも適切ではない、と言う声もあって、今度、心臓病のリスクを知る新しい指標として、「ウエスト/ヒップ」率が提唱された。ウエスト、つまり、胴まわりの寸法を、ヒップ、つまり、尻まわりの寸法で割った値で、これが、その人が心臓血管系の病気になる危険度を知る手がかりになる、というのだ。この新指標を、英医学誌「ランセット」2005年11月5日号で提唱したのは、カナダのマクマスター大学(トロント)のサリム・ユスフ教授(一般医学)。同博士は、初めて心臓発作を起こした1万2461人の患者と、心臓発作を一度も起こしたことがない1万4637人を比較した。まず、この人たちのBMIを調べたところ、その値は、必ずしも、心臓病のリスクを知る指標として正確ではないことがわかった。調査対象者の年齢、性別、居住地域、喫煙の習慣の有無、などによって、BMIと心臓病との関係がはっきりしないことが多かったのである。ところが、「ウエスト/ヒップ」率にしてみると、いくつかの要因を除外すれば、この値と心臓病リスクとの関連が、はっきりしてきたのである。それによると、普通、「ウエスト/ヒップ」率は、女性で平均0.85、男性で平均0.95だったが、平均値を上回ると、心臓血管系の病気になりやすいことがわかった。しかも、「ウエスト/ヒップ」率が高くなればなるほど、心臓血管系の病気になりやすくなる、という連続的な関係があった。また、この調査で、「ウエスト/ヒップ」率が最も高い5人は、最も低い5人よりも、心臓血管系の病気のリスクが、2.52倍も高かった。ウエスト/ヒップ率の特徴について、ユスフ教授は、「BMIでは、BMI20以下のやせた人では、心臓血管系の病気の指標として当てはまらないことが多かったが、ウエスト/ヒップ率では、やせた人でもちゃんと当てはまる。すなわち、適用範囲に限度がない」と話している。