2005年12月08日
インポテンツ(勃起障害)の治療に使われるバイアグラが、手足が病的に冷えるレイノー病の症状改善に役に立つことがわかった、と2005年11月7日発売の雑誌「循環」(Circulation)で報じられた。レイノー病は、寒気や冷水、または、ストレスなどに反応して、手足の毛細血管が収縮して、冷え、まひ、時に、指、足の指、耳たぶなどに痛みを感じる病気。最悪のケースでは、皮膚に潰瘍ができる場合もある。世界で300万人から500万人の患者がいると言わていおり、女性の方が多い。この研究を行ったのは、ドイツのホムバーグにあるサーランド大学のローランド・フリーズ博士らで、まず、レイノー病の患者16人を、研究の対象に選んだ。この人たちは、すべて、症状が重く、従来からある薬剤。例えば、血管拡張剤などでは、回復な望めない人たちばかりだった。被験者を2つのグループに分けて、まず、バイアグラ(化学名、sildenafil)か、偽薬を4週間与え、その後、各グループに、反対の薬を、やはり4週間与えた。その結果、偽薬を与えた患者では、試験期間中に平均52回の発作が起きたが、バイアグラを与えた患者では、平均35回だった。しかも、バイアグラを与えると、1回の発作の持続時間が半減した。また、指先などの毛細血管を流れる血流の速度を測定すると、バイアグラを飲んでいる間には、速度が4倍にもなった。フリーズ博士らは、バイアグラによって、毛細血管の血流が速くなるのは、酸化窒素の働きによる、と見ている。この研究成果によって、今後、レイノー病の治療に新しい方法ができるだろう、と同博士は言っている。もともと、バイアグラは、男性の生殖器官の血流を良くすることによって、勃起障害を回復させる効果を発揮させるもので、これが、手足の血流改善にも役に立つことがわかったわけである。