2005年12月05日
CDC(米疾病管理予防センター)とNIH(米国立衛生研究所)が合同で調査した結果、アメリカの十代(12歳から19歳)のざっと200万人が、糖尿病一歩手前の「前糖尿病症状」を呈していることがわかった。雑誌「小児科学」(Pediatrics)11月号で発表されたこの調査によると、前糖尿病症状を示した子どもたちは、全米平均で14人に1人、肥満、ないし、太り過ぎとされている子どもたちについてみると、何と6人に1人の割合で、前糖尿病症状が出ていた。この症状の判断の基準となったのは空腹時の血糖値で、米糖尿病学会の基準にしたがって、これが100ミリグラム/デシリットル以上あれば、前糖尿病症状があると判断された。(125以上で糖尿病と診断される)その結果、子どもたちの血糖値の平均は、89.7だった。このうち、子どもたちの7%は、血糖値100を超え、前糖尿病症状と判断された。この割合を全米に広げてみると、200万人の子どもが、糖尿病一歩手前の状態にあると言える。また、16%が肥満児と判断された。この調査のベースになったのは、1999年~2000年に実施された全米国民健康調査に参加した915人のデータ。やや古いデータなので、その後どうなっているのか、研究者たちは関心を寄せている。このように、非常に高い割合で十代の糖尿病予備軍がいるということについて、CDCの糖尿病研究者、バンケット・ナラヤン博士は、「子どもたちがそのまま成長すれば、若くして本格的な糖尿病となるリスクが非常に高いことを意味する。心配なことである」と述べている。「その原因は、他でもない、肥満と運動不足である」と同博士は断言している。現在アメリカには、20歳以下の子どもの糖尿病患者は17万7000人いるが、その大部分は、生来インスリンがつくれないタイプの、いわゆる「若年型糖尿病(1型糖尿病)である。しかし、普通40歳過ぎて発症する、成人型糖尿病(2型糖尿病)が、近ごろ子どもたちに増えている。ロサンゼルスにある子ども病院の糖尿病部長、フシンシン・カウフマン博士によると、そこの病院で治療を受けた糖尿病の子どもの25%は2型糖尿病で、この割合は、10年前には4%だった、という。「前糖尿病症状というのは、いますぐなんらかの症状が出るのではないが、代謝機能に問題をかかえていることを示しており、いずれ、2型糖尿病に進む」とボストン子ども病院肥満問題部長、デービッド・ウードウイッヒ博士は述べている。同博士は、「前糖尿病症状が先に進まないようにするには、とにかく、積極的に子どもたちのライフスタイルに介入して、肉体的活動を増やし、食事を改善する他はない。そのためには、家庭だけでなく、社会ぐるみで、改革を進める必要がある。たとえば、学校給食を大きく改善することから始めるべきだろう」と話している。