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2005年11月28日

もし熊に出会ったら死んだふりをする、は正しくない

最近、アメリカやカナダで、熊に出会って、最悪の場合命を落とす、という被害が増えている。日本でも時折、熊が出没したと言うニュースが伝えられる。そんな時どうするか。昔から、熊に出会ったら死んだふりをせよ、と言われる。でも、自分の体よりはるかに大きい熊の前で、死んだふりはなかなかできるものではない。ではどうするか。カナダのカルガリー大学の熊の権威、スティーブン・ヘレロさんによると、死んだふりをして、うまく行く場合と、そうでない場合とがある、という。ヘレロさんには、「熊が人間を襲うとき:その原因と回避の仕方」(Bear Attacks;Their Causes and Avoidance)という著書がある。北米の山地に出没する熊は2種類ある。北米ロッキー山脈などの高地にすむヒグマであるグリズリー(grizzly bear,ハイイログマ)、とクロクマ(black bear)だ。ヘレロさんによると、熊は人間に遭遇すると、まず、自分の安全が脅かされた、と感じる。そこで、相手(人間)が死んだふりをすると、熊は、これは脅威ではない、と判断して黙って立ち去る。グリズリーにはその傾向が強いという。ところが、クロクマの場合は、人間を見て、そのまま立ち去る場合もあるが、熊が徘徊している目的が、エサ捜しの場合だと、そうは行かない。死んだふりをしてもだめだ。襲われる。逃げても、熊の足の方が、人間よりはるかに早いので簡単に追いつかれる。そこで、おなかを空かしている熊に出くわした場合には、そっと身をかわし、あるいは伏せて、後退りしながら、逃げるのがいい、という。もし、熊に直接襲われたら、相手と戦うしかない。できるだけ、こちらも攻撃的になり、大声をはりあげ、なんでも大きな音が出る物を思いきりたたいて、相手を驚かせ、防犯用のコショウスプレーがあったら、それを吹きかけてから、素早く逃げるといい、とヘレロさん言う。もちろん、武器があったら、それをいち早く使うべきだ。つまり、熊に出くわしたら、そっと物陰に身を潜めて、相手の行動をよく観察して、熊が危害を加えそうもないかどうか、を判断することが第一。相手が襲いかかってきても、できるだけ身をかわすが、どうしても逃れられないとなったら、勇敢にたたかうほかない、という。いずれにしても、はじめから死んだふりをするのは得策ではない、ということになる。