2005年11月23日
尿を調べるだけで、初期の膀胱がんがわかる検査法が登場した。これは、イタリアのフォーリにあるモルギャグニ・ピエラントニ病院のがん研究者、ダニエル・キャリストリ博士らが開発したもので、「米医学会雑誌」(Journal of the American Medical Association、JAMA)の2005年10月26日号で発表された。それによると、この検査法の特徴は、膀胱がんが早期に発見できることと、従来見逃されてきた、まだ十分がん化していない膀胱がんがわかることだという。膀胱がんは成長が早いので、早く見つけて治療することが肝要。「これまでも、同じような検査法があったが、これほど正確で早期にがんが発見できるテストはなかった。有益だ」と、ロチェスター大学医学センターのエドワード・メッシング博士は述べている。この検査法の臨床試験は、134人の男性膀胱がん患者と、84人の健康体の男性を相手に行われたが、90%の正確度で、膀胱がんを判別できた、という。この検査は、基本的には、尿中に存在する酵素であるテロメラーゼ(teromerase)という酵素を測定する。テロメラーゼは、がん細胞を無限に増殖させる働きがある。人間のほとんどのがん細胞には、テロメラーゼが含まれているが、がん化していない細胞には、まず存在しない。そこで、テロメラーゼは、がんの診断や治療するさいの目標として利用される。テキサス大学のサウスウエスタン医学センターのジェリー・シェイ博士によると、普通、テロメラーゼは、がん化してから遅くに出現するが、膀胱がんの場合には、比較的早いじきに現われる。そこで、膀胱がんの場合には、テロメラーゼを調べることで、早期診断ができる、と同博士は説明している。シェイ博士によると、従来、膀胱がんの診断には、尿検査で異常な細胞を調べるのだが、見逃されることが多い。という。確定するには、カテーテルを使って、膀胱のなかの細胞を取り出して調べる。こんど登場した尿テストは、この確定診断の代わりになるものではないが、その前の段階で、確定診断が必要かどうかを判断してくれる。膀胱がんは、男性に多く、とくに、たばこを吸う人、コーヒー好きの人に多い、そういう人は、日ごろから膀胱がんのスクリーニングテストを受けるといい、と専門家は言っている。