2005年11月12日
激しいぶつかり合いで、選手が頭に衝撃を受けるスポーツがある。アメリカでは、一番人気のあるフットボールがその最たるもので、日本ではさしずめ、相撲がそうだ。もっとも最近の力士は頭をぶっつけ合うことはあまりしないようだが。現役時代に、こうした頭に衝撃を受けたら、後年何か後遺症が残るのではないかと思われるのだが、果たして、その通りであることがわかった、と雑誌「神経学」(Neurology)10月号で報告された。この研究を行ったのは、ノースカロライナ大学のスティーブン・マーシャル博士らで、元NFL(全米フットボール連盟)のプロの選手で、すでに引退した3683人に質問書を送った。うち2552人から返答があったが、調べてみると、このうち、60%の人が、生涯に少なくとも1回は、ひどい衝撃を頭に受けており、25%はひどい衝撃を3回以上受けていた。そして、50歳以上の元プレーヤーのうち、77人にかなり重い記憶障害が見られ、22人に軽いぼけの症状が現われていた。しかも、衝撃回数が多かった人ほど、アルツハイマー病など脳の後遺症が大きかった。これは、配偶者、または近親者の話をまとめて得られた数字である。研究者たちは、この研究ではサンプルが十分大きくないので、今後、さらに規模を拡大し、頭に受けた衝撃とその後遺症について、詳しく調べ直したい、と言っている。