2005年11月07日
靴のインソール(中敷き)に磁石をはめ込んだものがある。足に痛みがある人は、これを使うと、磁力線の働きで、痛みが軽減すると言われており、いつも靴の中に忍ばせている人が結構多い。アメリカだけで、磁気のインソールは年間5億ドル(500億円)もの売上げがあるというから、馬鹿にならない。本当にこれで痛みが軽くなるのか、を確かめた人がいて、その結果が、メイヨークリニック紀要(Mayo Clinic Proceedings)9月号で発表された。この研究では、足に痛みがあって、これが平均1年半続いている成人男女89人を対象に行われた。彼らを2つのグループに分け、一つのグループには、磁気のインソールを、もう一つのグループには磁気の付いていないインソールを与えて、それをいつも履く靴に入れて、1日少なくとも4時間、1週間に少なくとも4日間使わせた。こうして、8週間後調べたところ、「痛みが消えた」「痛みほとんどなくなった」と答えた人は、磁気付きインソール組では33%いたが、磁気付きでないインソール組でも、32%いた。軽減されたという痛みの内容を、被験者に、さらにに詳しく聞いたが、両グループで実質的な違いはなかった、という。どうやら、靴の中敷きの磁気は、足の痛みの軽減には役に立っていない、ということになった。しかし、足の痛みといっても、さまざまな原因があるので、そこまで分析すれば、別の結果が出るかもしれない、と研究者たちは言っている。また、被験者が使ったインソールそれ自体のクッションが良くて、磁気に関係なく、使った人が快適に感じたのかもしれない、とも言っている。なおこの実験は、「アクティブ・コンフォト」(Active Comfort)と言う名前の磁付きインソールを製造、販売している「スペンコ・メディカル社」(Spenco Medical Inc)が提供した資金で行われた。