2005年11月04日
60歳代、70歳代に脳波を調べると、7年~10年後に痴呆症になるかどうかが予測できる、という論文が、雑誌「加齢の神経生物学」(Neurobiology of Aging )のオンライン版で発表された。この研究を行ったのは、ニューヨーク大学(NYU)医学部のレスリー・プリチェップ博士ら。研究者たちは、60歳代、70歳代の男女44人の頭に、電極をつけで、脳波をよく調べた。全員、「からだは健康だが、ちかごろ物忘れをする」と言う程度の人たちばかりだった。それから、およそ10年間、彼らがどうなったかを、追跡調査した。その間に、27人が痴呆症にかかったが、前にとった脳波との関係を見てみると、なんと、90%の正確度で予測できることがわかった、という。「痴呆症になることが予測できたとしても、いまのところ、痴呆症の有効な治療薬というのはないのだから、意味がないではないか、と人は言うかもしれないが、今使われている薬を早期に使用すれば、痴呆症の発症を遅らせることができるかもしれない。また今の医学の進歩からすると、早期に投与すれば痴呆症を完全に止める薬が開発される可能性はある。とにかく、あなたはボケやすい、と言われれば、それなりの対策を立てることができるだろう。リスクが高いと言われれば、悲観するのではなく、その予測を、上手に、プラスに使うといい。たとえて言えば、脳波を調べることは、発火する前に煙を探知するようなものだ」とプリチェップ博士は述べている。