2005年11月02日
FDA(米食品医薬品局)顧問のフランク・デビッドソン博士が、今年(2005年)9月辞任していたことが明らかになった。理由は、モーニングアフター「プランB」の販売許可を、FDAが遅らせていることに抗議してのことである。モーニングアフターは、避妊器具も、経口避妊薬(ピル)も使わないでセックスをしても、翌朝飲めば妊娠を回避できる、という避妊薬で、ヨーロッパでは普通に販売されている。アメリカにおける医薬品の許認可権をもつFDAには、以前から、モーニングアフターのメーカーから販売許可の申請が出されており、2003年以来、その可否をめぐってFDA内で議論が展開されてきた。しかし、プランBの効き目、安全性については、すでにその科学的根拠が立証されて、問題なし、とされているにもかからず、FDAはその販売許可をなし崩し的に遅らせてきた。さらに、FDAは、この9月に「プランBの販売は無期限に延期する」と発表した。デビッドソン博士(米内科学雑誌の名誉編集人)は、その認可のカギをにぎる諮問委員会のメンバーだったが、「プランBの販売を許可しないのは、FDAが政治圧力に屈しているからだ」として、抗議の辞任をしたのだった。プランBを許可すれば、とくに若い人が、セックスを安易に考えて、性風俗が乱れるおそれがある、として、アメリカの保守派、あるいは、宗教関係者はこれに反対する立場を取っている。博士が言う“政治圧力”とは、こういう保守派の言い分を取り入れたブッシュ政権が、科学を度外視して、医薬品行政を歪めている、ことを言っているのだ。モーニングアフターに関しては、すでにFDAの女性のトップ行政官だった、スーザン・ウッドさんが、8月に、同じような理由で、抗議辞任をしている。また、FDAのレスター・クローフォード前長官も、8月に辞任した。本人はその理由を明確にしていないが、やはり、モーニングアフターの問題と関連がある、と見られている。