2005年10月28日
人間は年を取ると、記憶力が衰え、ものを認識する能力が弱まる。ボケの始まりである。これを何とか食い止める方法として、最近、葉酸が見直されているが、これを確かめる研究が発表された。葉酸は、緑色の葉菜、かんきつ類、に多く含まれているビタミンB群の一つ。サプリメント(栄養補助食品)のビタミンB複合剤には、たいがい、1日の所要量400マイクログラムの葉酸が入っている。これまで、葉酸が不足すると、生まれてくる赤ちゃんに障害が出ることが知られており、このため、アメリカで売られる穀類や小麦粉には、葉酸が強化されている。この研究は、雑誌「米臨床栄養学」(American Journal of Clinical Nutrition)9月号に掲載された。それによると、健康上の問題を抱えていない、平均年齢67歳の男性321人を対象に、記憶力や認識力などを3年間、定期的テストをして、調べた。同時に、被験者の血液を調べたり、アンケートで、日ごろどれほど葉酸を摂取しているか、を確認した。テストは、(1)すらすらと淀みなく話ができるかを試す言語テスト(2)いろいろな形や図形を見せて、しばらくして、それを正確に思い出させる空間コピーテスト(3)数列を与えて、その後、これを逆の順序に言わせる記憶テスト、などが行われた。その結果、血液中の葉酸の量が多く、それに、日ごろから葉酸を多く摂取している人ほどテストの成績がよかった、という。このことから、研究者たちは、葉酸は、記憶力認識力の維持と深い関連があり、引いては、老人のボケ防止に役に立っている、と結論づけた。この研究は、男性だけを対象に行われたが、おそらく女性についても言えるのではないか、と研究者たちはみている。なお、この研究は、類穀など店頭で販売されているいろいろな食品に葉酸を添加するようになった以前に行われた。