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2005年10月21日

貧しさが、肥満、不健康生む

肥満を防止し、健康を維持するには、野菜、果物、それに全粒の穀物を中心とした食事を続けなさい、と、米政府の食事ガイドラインは言う。しかし、野菜、果物をふんだんに食べるには、相当な出費を覚悟しなければならない。貧しい子だくさんの家庭では、それは無理。勢い、安価な穀類、肉類、それに、いわゆるファストフードに走る。そんな家庭で育った子どもは、結果、子どものうちから肥満、糖尿病、高コレステロール、になり、いずれ、心臓病、脳卒中になって命を縮める。つまり、不健康の遠因は貧しさにあるのだ。だから、栄養政策は、低所得階層が抱える問題を考慮にいれて進めるべきである、とする考え方がいまアメリカで強まっている。実際、そのためのプログラムがコミュニティレベルで実施されている。シアトル在住の主婦、ロリアン・コシーさん(43)は、2人の子どもが糖尿病になることを恐れている。彼女もその母親も、糖尿病だからだ。「だから子どもたちには、新鮮な野菜と果物を中心として健康食を食べさせたいのだが、どうしても食卓には、フードスタンプ(低所得者向けに無料で配給され食品)でもらってくるパスタ、缶詰の野菜、ハンバーガーなどが多くなる。コミュニティカレッジで勉強しているロリアンさんは、健康には人一倍関心を寄せているのだが、スーパーのサラダバーで売られている、1ポンド(450グラム)6ドル99セント(800円)もする有機の新鮮野菜、果物には手が出ない。「米政府が指導する栄養ガイドラインは、中流家庭向けにできています」と、ロリアンさんは批判する。そかし、シアトルにある主婦の団体「PCCナチュュラル・マーケット」のスポークスウーマン、ダイアナ・クレーンさんによると、よく調べると、1ポンド1ドルもしない安価な新鮮野菜、果物はけっこうあります。もし、ご要望なら、一緒にさがしに行きましょうか」と言っている。シアトルのあるワシントン州では、低所得層に焦点を当てた健康教育に力を入れている。州政府のいろいろな機関が協力して「肥満マップ」ができている。郵便番号による地域ごとに、住民の肥満を調べて、これを地図にして、その地域に合わせて、栄養、運動などを中心とした健康教育をきめ細かく施すのだ。貧しさが故の不健康は放ておけない。だが、貧しさから脱却せよ、と言ってもこれは無理な話だ。だから、粘り強く健康教育をして、素材の集め方から、調理法まで指導して、家庭から食生活の改善をすすめるしかない、と州政府当局者は言っている。