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2005年10月18日

日焼け好きは、中毒か

季節が来ると、プールやビーチで、毎日のように日焼け(tanning)をしている人がいる。とくに女性に多い。肌がもうとっくに小麦色になっているのに、いや健康色を通りすぎて黒ずんでいるのに、飽きもせず、日光浴を欠かさない人たちだ。こういう「完全日焼け主義者」は、美容や健康のため、というより、日焼けがやめられない「日焼け中毒」にかかっているのではないか、というわけで、それを調べた研究が、「皮膚科学紀要」(Archives of Dermatology)8月号で発表された。研究したのは、テキサス医科大学ガルベストン校の皮膚科医、リチャード・ワグナー博士ら。博士は、受診に来る患者に、紫外線にさらすのは危険であるということを承知しているのに、日光浴がやめられない人が多いことに気がついた。なかには、すでに皮膚がんにかかっているのに、どうしてもやめられない、という人さえいた。そこで、日焼けはほんとうに中毒なのかどうかを確かめるために、メキシコ湾に面したガスベストンのビーチに出向いて、日光浴をしている人たちに、インタビューした。質問は、アルコール中毒や麻薬中毒を診断するためにつくられた質問を、日焼け用に変えたものを使った。例えば「あなたは、日光浴の時間を減らそうと思っているのに、ついその時間が長くなってしまうことがありますか」「日焼けを完成させるために、もっともっと日光浴をしなけりゃならないと思っていますか」などなど。その結果、質問によって、26%から56%が、「紫外線浴依存症」と診断される基準を超えていた。つまり、「中毒」の可能性があったのである。研究者たちは、紫外線を受けた皮膚から、快楽物質のエンドルフィン(endorphin)がつくれて、それが、日焼けをせずにいられない常習性を生み出しているのではないか、と想定している。エンドルフィンは、モルヒネ様の脳内物質だ。ワグナー博士は、「日焼け好きを中毒と考えれば、アルコール中毒や麻薬中毒に対処するように、治療方法もあるのではないか。何しろ、日焼けによる皮膚がんなどの弊害はますます拡大しているのだから」と主張している。この日焼け中毒説に異を唱える学者もいる。
ワシントン在住の皮膚科医、ビカス・ペテル博士は、「なかなか興味深い、革新的な説ではあるが、私は、日焼け好きは、生理的というより、やはり、単に、美容上の見栄えを考えての、社会的、文化的要因に基づいていると考える」と述べている。