2005年10月14日
前立腺がんと診断された男性が、早期に、食事の内容を一変させ、ライフスタイルを変えたとところ、1年で、前立腺がんの症状を示す値が改善された、と、「泌尿器科学雑誌」(Journal of Urology)2005年9月号で発表された。この研究では、前立腺がんと診断されたが、まだ、転移しておらず、手術、放射線治療、化学療法などを全く行っていない93人を被験者として選んだ。被験者を、ランダムに、食事、ライフスタイルを変えるグループと、従来通りの生活を続けるグループの2つに分けた。食事、ライフスタイルを変える「変化組」は、食事は、果物、野菜、大豆など豆類、全粒穀物、を中心とした食事に変えさせた。加えて、フィッシュオイル、ビタミンEとC、を多く摂取するようにさせ、さらに、1日30分間、週6日間のウォーキング、ヨガをベースにしたストレス・マネージメント(ストレッチ、呼吸法、リラクセーションなど)を1日1時間行った。また、週に1時間開かれる「同じ仲間の会」に参加させた。こうして、1年後、このグループのPSA(前立腺がん特異抗原)を測定した。PSAは血中の腫瘍マーカーで、血液1ミリグラム当たりPSA10ナノグラム以上あると、がんの可能性が高くなり、測定値が高いほど、前立腺がんの症状が進んでいることを示す。PSA測定の結果、「変化組」のPSAは、1年前より平均4%下がっていた。つまり、前立腺がんの進行が抑えられていた。しかも、食事、ライフスタイルの変化の度合いが大きかった人ほど、PSA値の下がり方が大きかった。一方、「食事、ライフスタイルを変えなかった組」の人は、PSA値が1年前より6%アップしていた。その上、「変化させなかった組」の中の6人は、PSA値が非常に高くなり、がんが転移し始めており、はじめて治療を受けることになった。「変化組」には、転移した人も治療をうけた人もゼロだった。この試験結果について、研究者たちは、「さらに試験の規模を拡大して調べる必要があるが、前立腺がんだけでなく、一般的に、がんと診断されても、初期の段階なら、食事を変え、定期的にエクササイズを行い、心身ともにリラックスさせて、体質改善につとめれば、がんの進行を食い止められる可能性は大いにある」と言っている。