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2005年10月13日

痛みを軽くして、安らかな終末を迎えるのはだれ

人間だれしも、いまわの際は、こころ穏やかで、安らかな終末を迎えたい、と思っている。しかし、病院に入院していると、そうは行かないことが多い。いろいろな装置を付けられ、さまざまな薬を与えられ、患者は苦しみを訴え、時に錯乱状態になることもある。だれが安らかな終末を迎え、だれが苦しみながら死んでいくだろうか、をテーマに調べた研究が、雑誌「鎮静医学ジャーナル」(Journal of Palliative Medicine)8月号で発表された。この研究を行ったのは、米ミシガン大学のマリア・シルベイラ博士(一般医学)らで、1993年から98年までに死亡した70歳以上のお年寄り2600人の臨終の様子に関する情報を集めた。妻、あるいは夫など、死んだ人の縁者にインタビューし、痛みはどうだったか、うつ状態、精神錯乱状態でなかったか、呼吸困難ではなかったか、人生の最後に口に入れた食物は何だったか、など、臨終の様子を聞き取って集めた情報だ。その結果、実にさまざまな死に方があることがわかったが、「痛み」という視点からまとめて、それを死者の年収と対比させると、年収7万ドル(800万円)以上の裕福な人たちは、それ以下の低所得層の人たちよりも、いまわの際の痛み方が少ないことがわかった、という。年齢や病気の重症度を考慮して分析してても、所得が高い人は、比較的低い人よりも、安らかに死んでいることがわかったのである。数字で表すと、高所得の人は、死ぬときに感じる痛みが、所得が低い人よりも、9%少ない、と言えるという。なぜそうなるのか、について、研究者たちは、はっきりわからないが、おそらく、裕福な人は、とにかく楽に死なせてほしい、とい病院側にはっきり要求しているからではないか、と見ている。例えば、無用な薬剤投与はやめてほしい、装置ははずしてほしい、と注文したり、あるいは、ホスピスを選択しているのかもしれない、と見ている。シルベイラ博士は、「患者は、死が近いと思ったら、医師、看護師、肉親に、安らかに死にたいのでよろしくと、あらかじめ申し渡しておくといい。クオリティ・オブ・ライフ(生命の質)だけでなく。クエオリティ・オブ・デス(死の質)も良く考えることが大事である」と話している。