2005年10月11日
健康に気をつけている人は、精製された小麦粉でつくられた白パンが、体に良くないと避ける人が多い。米農務省が出している「国民栄養ガイドライン」でも、できるだけ、白パンを避けて、全粒小麦の食品に切り替えるようにと勧めている。ローカーボダイエットの先駆である、「アトキンスダイエット」(Atkins diet)でも、白砂糖と白パンが健康の敵になっている。そこで、健康志向の人は、代わりに、味や食感を少々犠牲にしても、精製されていない、つまり胚芽などがそのまま残っている全粒小麦でつくったパンを食べている。理屈はそれでいいのだが、製粉業者やパンメーカーにしてみると、消費者が、全粒小麦が入っていると気がつかないで、ふかふかのおいしい白パンを食べてくれれば、一番いい。そのほうが売上げも伸びるだろう。そこで、アメリカの種子育成会社であり、食品メーカーでもある「コンアグラ・フーズ社」(ConAgra Foods Inc、本社ネブラスカ州オマハ)が、このほど「白い全粒小麦」を開発した。その名も、|ウルトラグレイン・ホワイト全粒小麦」(Ultragrain White Whole Wheat)。このウルトラグレインが世に出たのが1年ほど前だが、すでに、これを材料にしたクッキー、パスタ、クラッカーなどが世に出ている。そして、今年(2005年)7月、食品大手メーカーである「サラリー社」(Sara Lee Corp)が、ウルトラグレインを使ったパンを売り出した。見た目も白く、味も白パンに負けない。しかし、中身は全粒小麦が30%含まれているというシロモノだ。すでに、全米2600の学区では、ウルトラグレインを使ったパン、その他の食品を給食などに使うことにしている、と同社では言っている。ウルトラグレインが、将来どれほど売れるかはまだ予断を許さないが、「これはパン革命だ」と言う人もいる。しかし、やはり大手パンメーカーの「インターステート・ベーカリー社」(Interstate Bakeries Corp)に言わせると、「30%くらい全粒小麦が入っていてもしょうがない、ウチは全粒100%の白パンを開発中で、来年、大々的に売り出す予定だ」という、同社は、白パンの代表的な名前にもなっている「ワンダーブレッド」(Wonder Bread)のメーカーとして知られている。このように、白い全粒小麦のパンがこれからのパンの主流になる勢いだが、ポイントは、案外味にうるさい学校の生徒が、これを喜んで食べるかどうかにかかっている、と専門家は指摘している。